新谷・北川合同事務所

大量の登記識別情報通知

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大量の登記識別情報通知

先日、贈与の登記のご依頼を受けました。ご依頼自体はよくある登記。一通り贈与税や路線価、農地法の許可についてご説明し、ご納得いただいた上での登記手続きです。

 

問題はその物件の数。田畑や山林など20筆近く。週明けは、事務所の床の固い部分にはいつくばって、大量のシールを剥がしていました。

 

これ、昔の登記済証(権利証)なら、こんなことはないのです。1通の権利証にズラズラ物件があるのを、モレがないようチェックするだけのこと。しかし、平成17年から法務局毎に順番に開始した「登記識別情報通知」(これも俗に「権利証」と言うことが多い。)の場合、色々と問題があります。

 

まずは、1通ずつ作られるようになったこと。つまり、20筆土地があれば、登記識別情報通知も20通。また、共有の場合、その人ごとに作られるので、2人で共有ならば、40通作られることになります。でもまぁ、これもモレがないようにチェックすればいい。

 

昔の登記済証はそれ自体を提出するので、その紙が大事でしたが、今ではこの登記識別情報通知に記載されている英数字をオンライン申請で打ち込みます。なので、紙自体ではなく、この英数字が大事。

 

問題はこの通知書の英数字部分の目隠しをはずすこと。現在では簡単に外せるよう、英数字を隠している部分の紙が2重になっていて、点線部分をめくれば、英数字が見えるようになっています。

 

しかし、平成17年から20年頃、この制度が開始した当時、この目隠しはシールでした。よく、返信用ハガキの個人情報を隠すためについている裏側が黒くなったシール。あんな感じです。

 

このシール、特に初期は質が悪く。なかなかうまく剥がれないのです。剥がす時に上の方の紙の部分だけ取れて、薄い白い紙が残ってしまったり。もっと酷いと、数字の印字も一緒に剥がれてしまったケースも聞いたことがあります。糊の強度の問題なんでしょうか。当時は司法書士の間でも、あて布をしてアイロンをかけるのがいいとか、色々話題になったものです。

 

実は今回の物件はこの初期の物。とにかく剥がれにくくって。角をうまく剥がすのが大事なので、爪で慎重に慎重に。角は4つしかありませんから、4回まででうまくやらないと。

 

1通だけシールが強くついている物があり、結局ヒヤッとしながらも、問題なく剥がせました。要は英数字部分が綺麗に剥がせればいいので、他の部分は犠牲にし、「これ司法書士の仕事?」と北川にブツブツ言いながら。実際、アイロンなんてほんと冗談じゃないです。幸い、今回も使わずに済みました。

 

今回は贈与なので事務所でゆっくり剥がせましたが、取引だったら沢山の関係者の見ている前で剥がすプレッシャー。今まで取引では最高でも10通まででしたが、もっと多い場合は、あらかじめ売り主さんにご協力いただき、剥がしておかないと怖いです。

 

今では剥がしやすくなったとは言え、当時のシール式は移転や相続がないかぎり、ずっとそのまま所有者の手元に残ります。何十年も経って、この初期のシール式に当たったら。その時はどんな状態になっているんでしょうか。個々の保存状態にもよるので、考えただけでゾッとします。あらかじめ権利証がないケースの本人確認情報も準備しておく等、場合によっては対策が必要ですね。