新谷・北川合同事務所

相続手続きでお兄さんと不仲に

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相続手続きでお兄さんと不仲に

相続手続きで不仲になるなんてことは、今や珍しい話ではありません。

 

先日被後見人さんが転院されたので、朝から退院手続きをしてタクシーで新しい病院に同行し、そこで入院手続きをしていたらすっかりお昼を過ぎてしまいました。余談ですが、病院の手続きって、なんであんなに時間がかかって疲れるんでしょうね。

 

病院の最寄り駅まで戻ったらもう2時近く。急いでお店に入ると、最後のランチ客だったようで、カウンターにいるママさんと二人っきりでした。

 

ランチを食べながら、「何のお仕事なんですか?」から相続の話になり。ママさん曰く、「父の相続はもう大変で。それ以来、田舎の兄とは音信不通なんですよ。」

 

そもそもお二人は仲の良い兄妹だったそうなのですが、地元にいるお兄さんが相続手続きのすべてをしてくださったそうで。相続税がかかるほどの財産はなかったものの、田舎の土地建物や預貯金も数行あって。「もう一回戸籍と印鑑証明書を送って。」なんてやりとりも数回あったそうです。

 

そんな風に必要書類が全部揃った頃、ママさんとしては漠然と「預金は半分ずつ」と思っていたら、お兄さんは「俺はこんなに大変な思いをしたのに、半分しかもらえないのか!」と怒り出し。それもそうかと思ったら、今度はママさんのご主人が「権利なんだから半分はもらわないと!」と言い出して。

 

間に入って、右往左往して何とか手続きはしたものの。最後には喧嘩別れのようになってしまって。それ以来、一度も連絡を取っていないそうなのです。

 

そもそも相続手続きの大変さって、やってみないとわからないんですよね。田舎のお兄さんとしては長男だからと引き受けたものの、初めてのことですから、後から後から同じような書類が必要になり。あっちの銀行、こっちの保険会社と「なんで俺ばっかりがこんなに大変なこと。」と思っている時に、「半分ずつ」と言われてカチンときたのでしょう。

 

かたやママさんの方は実際にやっていないので、その大変さはわからないもの。思った以上に時間がかかった上に、「一回送った書類をなんで後になって何度も送れと言うのか?」不信思ったり。

 

こういうのってその時口に出せばまだいいのですが、やっている方は「みみっちいと思われる。」とか、任せた方は「やってもらってるのに。」と遠慮して。どんどん不満がたまってくるんですよね。

 

また、本来お互いの配偶者は全く関係ないのですが、「自分の親の時はこうだった。」と事例が違うにもかかわらず、余計な口を出すと言うのもあるあるです。

 

ママさんは「司法書士」という資格をご存じなく。「それも私の仕事なんですよ。全部まとめて、25万からお受けしてます。高いと思うかもしれないけど、銀行に頼むと100万円~ですからね。」なんて私が話し出すと。「100万でも全部してくれるならやってもらえばよかった。預金だけでも1千万円以上はあったんだから、こんなことになるくらいなら。」と悔しがっておられました。

 

依頼してもらえば、相続人の方々は誰も銀行や法務局に行く必要はありません。相続人全員が私への委任状と契約書、振込依頼書に署名押印をし、印鑑証明を取ってもらうだけ。こちらで戸籍もお取りしますし、最後には、決まった額をそれぞれ相続人の口座に振り込みます。

 

そんな手続きの手間や効率もそうですが、専門家に頼めば、「今どこまですすんでますか?」とか、「なんでこの書類がいるのですか?」といった質問も、それぞれが直接遠慮なくすることができます。

 

また、戸籍1通、銀行までの電車代まで日付も入りでかかった経費を表にして全員にお送りするので、「兄さんが経費をごまかしてないか?」なんて心配もいりませんし、逆にお兄さんの立場としては、「こんな細かいお金まで請求するのはカッコ悪い。」と自腹を切る必要もなくなります。

 

相続手続きって、一つ一つはじっくりやれば自分でできないことありません。けれど、人ひとり亡くなった時の手続きは本当に沢山あり、それを効率よくやろうとすると、結構難しいものです。増してやそこに感情が入ると、本当にややこしくなり。

 

依頼を受けると、「これで一つ肩の荷がおりた。」と最初の契約の時点で既にほっとされ、完了後には「こんなに早くできるんですね。色々悩まなくて済んでほんとによかった。」言われる方が本当に多いです。

 

ランチのお会計をして帰り際、「もっと早く知ってればなぁ。知識ってほんとに大事ですね。」と、ママさんが寂しそうにおっしゃっていたのが、本当に印象的でした。